少林寺拳法

1９４７年（昭22）、開祖・宗道臣（1911～1980)が創始。
当時、敗戦による混乱から秩序はすたれ、不正と暴力がまかり通っていた。
宗道臣は、中国で学んだ拳技をもとに、自らの理論による独自の拳法をあみ出し「少林寺拳法」と命名。
これを人づくりの手段として、「自己確立」と「自他共楽」の教えを説いた。

開祖　宗　道臣

総裁　宗　由貴

少林寺拳法（しょうりんじけんぽう）とは

　宗道臣が日本で創始した「人づくりの行」であり、「護身錬鍛」「精神修養」「健康増進」の三徳を兼ね備える「身心一如」の修行法をとり「技」と「教え」と「教育システム」を3本の柱としている。技の特徴は、護身を旨とする拳法。教えの中心思想は「自己確立」と「自他共楽」。教育システムとしては、数百ページにわたる教範、入門から高段にいたるまでの修行計画が記された科目表で文書化標準化が図られ、また特に指導者育成機関として禅林学園（専門学校）を有している。
　少林寺拳法グループは、以下5つの組織からなる。宗教法人金剛禅総本山少林寺、一般財団法人少林寺拳法連盟、学校法人専門学校禅林学園、少林寺拳法世界連合、SHORINJI KEMPO UNITY。中国武術のひとつである少林拳とは間接的な関係にある。

日本少林寺拳法本部

　
　少林寺拳法は“人づくりの行”
　少林寺拳法は1947年、日本において宗道臣が創始した“人づくりの行”です。
自分の身体と心を養いながら、他人とともに援け合い、幸せに生きることを説く「教え」と、自身の成長を実感し、パートナーとともに上達を楽しむ「技法」、そして、その教えと技法を遊離させず、相乗的なスパイラルとして機能させる「教育システム」が一体となっています。
　人間は生まれながらに、どのようにも成長してゆける可能性を秘めています。
少林寺拳法は、その可能性を信じて自分を高め続けられる人、周囲の人々と協力して物心両面にわたって豊かな社会を築くために行動できる人を育てています。

少林寺拳法の六つの特徴

拳禅一如

　「拳」は肉体を、「禅」は精神を意味します。身体と心は別々のものではなく、互いに影響を及ぼす一体のものです。少林寺拳法では、身体と心を、どちらかに偏らせることなく、バランスよく修養します。

力愛不二

　慈悲心や正義感に溢れていても、力がなければ、誰かの役に立ったり、助けたりすることはできません。また、どれだけ力があっても、誇りや信念がなければ、正しい力の使い方はできません。力と愛、理知と慈悲の調和こそ、少林寺拳法の行動規範です。

守主攻従

　少林寺拳法の技法は、不正な暴力から身を守るためにあります。そのため、まず守り、それから反撃する技法体系となっています。また、確かな守りの体勢を築くことで、相手の弱点を冷静に見極め、有効な反撃ができると考えています。

不殺活人

　少林寺拳法の技法は、誰かを傷つけるためのものではなく、自分や他人を守り、活かすためのものです。少林寺拳法の技法は、人の可能性を実感させ、成長の喜びを味わうために修練されます。

組手主体

　少林寺拳法の修練は、二人一組で行うことを原則とします。これは、相手の行動に適切かつ柔軟に対処できる実戦的な技法を養うためであると同時に、共に協力して上達し、その喜びを分かち合うためです。

剛柔一体

　少林寺拳法の技法には、突き・蹴りなどに対し、受け・かわしから当身で反撃する「剛法」と、手首を握る・衣服をつかむなどに対して、抜き・投げ・固めなどで反撃する「柔法」があります。剛法と柔法は、互いの特徴を活かしあい、巧みに組み合わせることによって、効果を倍増させることができます。

　人づくりのための「行」である

　少林寺拳法には、勝敗を争う試合というものはない。
「半ばは自己の幸せを半ばは他人の幸せを」・・これが少林寺拳法の理念を表した宗道臣のことばである。
技術を身につけることで、イヤなものはイヤと言える自信と勇気を手に入れ、なおかつ、人と人とが協力し合うことの楽しさと大切さを学ぶことに修練の目的がある。　

護身の技術である

　少林寺拳法は、剛法、柔法、整法(整骨等）の三法二十五系より成り立っている。突き・蹴り主体の剛法も、抜き・逆・固めなどが主体の柔法も、その技法は守りと反撃からなる護身の技術である。
　よって体格の大きさや力の強さに頼らずとも相手を制することができるよう合理的に構成されている。

私と少林寺拳法
第6回
開祖宗道臣先生生誕１００年記念碑建立
2011（H23）年5月1日

　開祖宗道臣顕彰碑
／1987(s62)年9月23日建立開祖宗道臣生誕100年記念碑
／2011（H11）年5月1日

～記念碑について～
―「力愛不二」の胎動となる―
少林寺拳法創始者宗道臣ご母堂、ご令妹記念碑

　この記念碑建立は、少林寺拳法創始者宗道臣生誕１００年を記念事業の一環として建立されました。
開祖宗道臣先生は、１５歳のときに母親を亡くし、その後相次いで二人の妹を亡くされております。少林寺拳法創始の原動力は、開祖の抱いた“愛を実践・実現するための力”への渇望であり、愛する人が助けを必要としているのに、何も出来なかった自分への自責と後悔が、その後の開祖を突き動かし続かせたと申し上げても過言ではありません。それ故に開祖は、誰に対しても慈悲深く、その愛を前提とした指導力を以て厳しくも温かく、私達後進を育てて頂きました。この開祖の愛した母親と妹を偲ぶことで、私たちは開祖が少林寺拳法を通じ成し得なかったことの原点を辿れると考えてます。この度このような記念碑と憩いの広場を建立に参加しました。
　この記念碑の建立は、美作市のご厚意、岡山県顕彰事業期成会、発起人有志が、広く募金活動を呼びかけ、全国から寄せられた浄財と、宗家からの寄附によって、総工費５８７万円余で立派に完成されたものです。

　楷の木は、
日本に初めて移入されたのは、大正4年(1915年)でした。白沢保美博士が中国を訪れ、孔子の墓所から種を採取し、播種、育苗されました。日本国内の孔子や儒学にゆかりのある学校(湯島聖堂3本(雄)、足利学校1本、閑谷学校2本(雌)、多久聖廟１本(雄)など)に寄贈されたのが最初です。現在では「楷の木」または「楷樹」と呼ばれております。備前市閑谷学校の「楷の木」の実から育てた3本を植樹した。
（田原・稲尾）

記念写真／2011.5.1

記念植樹（楷の木3本）／2011(H23)年6月14日

私と少林寺拳法
第5回
岡山県大会　及び赤穂支部設立40周年記念大会に思う


2008.11.2　全国大会ポスター（岡山県連盟が担当）
２００８年５月２９日（日）　　岡山市総合運動公園内、桃太郎アリーナーにて、本年１１月２日開催の少林寺拳法全国大会のリハーサルを兼ねた、岡山県予選大会が、本番さながらの体制で開催された。　少林寺拳法は、昨年創始６０周年の記念大会が、日本武道館にて開催され、本年は、開祖生誕の地／岡山県（旧作東町）にて、「あなたがキラリ！　開祖のふるさと岡山で！」を合言葉で、一昨年からその準備に取り掛かっている。　計らずも、当日赤穂市文化会館に於いて、赤穂支部開設４０周年記念の演武大会・講演会そして、赤穂ロイヤルホテルに会場を移し、祝賀会が盛大に開催された。　思い起こせば、早４０有余年に前、古い伝統と格式を重んじる忠臣蔵の町・赤穂市への少林寺拳法の進出は、並大抵の事ではなかった。二十歳そこそこの若者が、河童ブックス「秘伝少林寺拳法」を片手に、開祖の教えを口移しに、理解者や、支援者を求め、頑張った当時を思い起こし感無量であった。「無から有を生じる…。」その活力は、何にあったのか…？　お祝いに駆けつけて呉れていた兵庫県下の各支部長さんや、赤穂支部ＯＢの面々にも、人生の年輪が、深く刻まれていた。　同様に、開祖をお迎えして初めての岡山県大会は、加藤武徳岡山県知事を大会長・天野与一（県会議長）を副会長に、有段者会総裁（金子正則香川県知事）他、県内外の有識者をお迎えし、盛大に開会されたのは、１９６７年（昭和４２年）１１月１２日である。県下の支部は、私の関係の森下製網少林寺権法部を含めても、まだ１２支部に過ぎない小さな存在でしかなかった。　我が備前日生支部から出場の島田忠幸・中西尚拳士の組演武（短刀捕り）が優秀賞を受賞している。現在の赤穂支部の支部長・副支部長の若き姿である。　赤穂支部が設立される目前である。　今から４１年前の出来事である・・・。

私と少林寺拳法
第4回　
姫路書写道院・姫路中部道院設立30周年記念大会へ

平成１９年１１月２５日　
　　姫路書写道院・姫路中部道院開設30周年記念大会が、姫路市の兵庫県立武道館を中心に、少林寺拳法演武会・記念講演会・祝賀会の三部構成で、開催された。お招きがあり参加した。

　本年は、少林寺拳法創始６０周年であり、去る１１月４日（日）日本武道館にて、『ありがとうこの命　ありがとうあなたとの出会い』をテーマに盛大に開催されている。
昨年の、北海道での全国大会には、参加したが、私も現在は、現役を退き、岡山県連盟の役員の末席を汚しており、県大会規模の行事には参加するが、「慈悲心と勇気と正義感」のある青少年育成の最前線である支部・道院の記念大会へは、参加は久しぶりであった。
　更に、幸いな事に、少林寺拳法グループ、宗　由貴総裁のご出席、記念講演には、ライフハーモニー教育研究所長（元報徳学園校長）/位田隆久先生の少林寺拳法の指導実績を、ユーモアたっぷりでの講演、祝賀会での久方ぶりに、総本山少林寺代表鈴木義孝先生はじめ、同志の先生方との出会いも有、有意義な一日となった。
　主催者の道院長伊澤啓介先生とは、母校相生産業高校の同窓ですが、会社勤務はもちろん、兵庫県連理事長を３期務める他、外遊歴も多く、多方面での活躍は、祝賀会への参加者からも彼の人柄が伺える。
何と言っても、自前の道場を、自力で建設している事は、素晴らしい。
　記念誌で、彼のプロフィールの中に、１９６７年４月相生道院入門、同年相生産業高校に、少林寺拳法同好会を発起人として発足…とある。
思い起こせば３０年前、私の勤務する㈱森下製網所へ、「相生産業高校へ、少林寺拳法部を創りたい…。」と数名の学生が訪ねて来た。
未だ少林寺拳法が、社会的に認知されていなかった当時の事であり、高校のＯＢで、備前日生道院長である事を聞きつけて、はるばるやってきたのであった。
　その様な一途で、熱い思いが、３０年間　彼の中に、燃え続け、その行動力の源になっているのであろう…。彼の出発点に些かのお手伝いが出来た事に、私もささやかな喜びを感じた一日でもあった。

私と少林寺拳法
第3回　
少林寺拳法開祖・宗道臣禅師　生誕記念碑広場草刈奉仕…！

少林寺拳法開祖・宗道臣禅師生誕記念碑
岡山県美作市作東町

　　　　少林寺拳法開祖・宗道臣禅師　生誕記念碑広場草刈奉仕…！
　　平成１９年7月8日（日）　岡山県美作市作東町にある少林寺拳法開祖・宗道臣禅師の生誕記念碑前広場の、草刈奉仕作業に参加した。
　　岡山県下の拳士約５０名が、三々五々それぞれが道具を持って集まった。
　集合予定は、午前９時３０分となっていたが、７時ころにはすでに。作業開始する参加者も居て、あっという間に作業は終わった。
　当日の天気予報は、雨となっていたが、薄日も差し作業日和であった。
　作業後は、木陰にて、作東道院長の稲尾先生から、開祖幼少期の数々の逸話の紹介があり、有意義なひと時となりました。
　２０年前、香川県多度津町の本山と並んで、開祖の幼少期を育んだ生誕の地として、末永く親しまれる事を夢見て、募金活動をはじめ、開祖顕彰事業として取り組んだ者の一人としてこれからも見守って行きたい。
　夏休みには、各地から合宿や、キャンプに彼の地を訪れる拳士も多い事を願っている。

私と少林寺拳法
第2回　
祖山　河南省崇山少林寺へ

１９７７年（S52）５月　第２次少林寺訪中団員として開祖のお供で約一ヶ月間、北京～東北三省（旧満州）を友好訪問の旅を体験する。／後日紹介予定
　　　１９８４年（S59）５月　岡山県・岡山市少林寺拳法連盟訪中団に参加、祖山である河南省嵩山少林寺へ帰山を果たす。　　　
　　　

嵩山少林寺図　(1984年春）

少林寺山門	初祖庵		達磨影壁石	少林寺塔林
白衣殿壁画（少林寺拳法の原点）		壁画拡大	山門前にて	大先輩義若先生と

私と少林寺拳法第１回　履歴
入門と修行／昭和37年本部156期生（玉野道院／道院長田原正晴・実兄）入門　思想を開祖宗道臣から直接薫陶を、術技を主に実兄　田原正晴そして、（昭38/10）少林寺武道専門学校本科B入学し、中野益臣、三崎敏男先生から受ける。　　以来　(昭45/3）武専高等師範科卒業　、（昭55/3）専修学校日本少林寺武道専門学校専門課程研究科卒業。その間全国指導者特別講習、整体特別講習、本部役員講習等各種講習会受講指導者として／（昭39/9）岡山県下５番目の支部、備前道院（後日備前日生と改称）を岡山市内に開設。（2段少拳士）　　　　　（昭40）日生町で指導開始。（昭42/6）森下製網支部設立、（昭43）赤穂道院、品川白煉瓦支部、県立備前高校支部を分離独立。　　　　　　　　　　（昭60/1）優良道院長勤続20年表彰。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（平3/4）備前日生道院長勇退。（代務者　田原正晴を経て　（平5/6）　有年保が　道院長引き継ぐ）大会を主催／（昭41/7）第1回公開演武会を開催　（昭42/5）設立３周年記念大会　（昭44/6）設立5周年記念大会　　（昭48/7）スポーツ少年団認証記念大会　（昭49/6）10周年記念大会　（昭59/9）20周年記念大会等開催本部指導員として全国各地へ／（昭46/1）本部准指導員　（昭57/1）武専部別科教師として地方武専へ岡山県連盟では／設立当初から参加。事務局長、副理事長歴任　現岡山県連盟参与（平成5/4）　　第１回県大会、体協加盟、開祖生誕地（作東町）顕彰事業等へ参画　現資格　／　（昭52/4）僧階権大導師　（昭57/1）正範士7段　日中友好活動／　（昭52/5）少林寺拳法第２次訪中団で開祖宗道臣の随員として訪中。　（昭52/9）中国武術団来日に随行　（昭59/5）岡山県&岡山市少林寺拳法連盟訪中団で嵩山少林寺へ帰山　ほか訪中４回


	人生を変えた一枚の写真（昭和38.2）　左から開祖、義若先生、私、兄
特記-1／　「人は生きているのでない、必要があって生かされているのだ・・・・。」　開祖宗　道臣先生は、　田舎の高校を卒業し就職という新しい旅立ちを目前にした拳士達に、勇気と自信、転んでも転んでも起き上がる不屈の精神を説いて聞かせれました。また、少林寺の指導者を目指せ！！と、激励と、はなむけの法話を熱っぽく語られた。それを目を輝かせ聞き入る者の中にいた私は、異常な興奮を覚え身震いがした。　正式な指導者も無く厳しい駅伝の練習で、体を痛め半ば捨て鉢になって、落ち込んでいた私にとって、新しい人生への転換期だった様に思う。それから半年の後、内弟子としての修行を申し出ることになりました。